当科では山間部という地域性を考慮し、内科疾患全般の診療にあたるとともに、特に消化器疾患においては、肝臓、胆・膵、消化管の専門医として診断・治療にあたっています。
肝臓領域
2018年度より、エラストグラフィを搭載した超音波診断装置が導入され、硬変肝の診断を簡便に施行できるようになりました。B型慢性肝炎に対しては、インターフェロンや核酸アナログであるエンテカビルやテノフォビルなどの抗ウイルス薬を用いて治療を行っています。C型慢性肝炎に対しては、インターフェロンフリー療法をはじめ、ウイルスの遺伝子型やウイルス量に合わせた治療を積極的に行っています。
肝癌に対しては、腹部超音波検査、CT検査に加え、血管造影CTを行い、より精密な診断を行っています。治療としては、①経カテーテル的動脈化学塞栓術(TAE)、リザーバーカテーテル留置による持続肝動注化学療法(HAI)といった経カテーテル的治療、②経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)やエタノール注入療法(PEI)といった経皮的局所壊死療法、③分子標的薬であるソラフェニブの使用も積極的に行っています。
さらには、肝硬変に伴う、食道静脈瘤に対しては、内視鏡的静脈瘤硬化療法(EIS)や内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)、胃静脈瘤やシャント脳症に対してバルーン下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO)なども行っています。また、難治性腹水に対しては、腹水濃縮還流療法をはじめ、トルバプタンなどの新規利尿剤も積極的に使用しADLの向上を図っています。
胆・膵領域
胆・膵領域では、腹部超音波検査・CT検査に加え、良・悪性疾患の診断目的で内視鏡的逆行性胆管膵管造影を積極的に行っています。
また、悪性胆道・膵管狭窄に対して経皮的あるいは内視鏡的ステント挿入術、胆道感染症に対する緊急ドレナージとしての経皮経肝胆道・胆嚢ドレナージ (PTBD,PTGBD)や、内視鏡的胆道ドレナージとしてのENBD・ERBD、総胆管結石に対する内視鏡的乳頭切開術(EST)や内視鏡的乳頭拡張術を利用した採石術なども多く行っています。
消化管領域
消化管領域では、通常の上部・下部消化管内視鏡検査のみならず、色素散布やNBIによる拡大内視鏡検査により早期癌の発見も積極的に行っています。また、食道・胃・大腸の早期癌に対する治療法として、内視鏡的粘膜切除術を行っています。また進行癌による癌性狭窄に対するステント挿入術や消化管出血に対する内視鏡的止血術などを行っています。さらに脳血管障害などで経口摂取が困難な方に栄養管理としての内視鏡的胃瘻造設術(PEG)も行っています。
救急対応
内科医師が中心となり、平日日勤帯の救急車対応を行っています。どのような主訴であっても断らず受け入れを行っております。初期診療を迅速に行い、その後の処置/入院治療や適切な診療科へのコンサルテーションへ遅滞なく繋げることを心掛けています。
帝釈巡回診療
広島県北部地域移動診療車を使用し、庄原市帝釈地区の無医地区7か所で週2回(火・木)の巡回診療を行っています。
生活指導
最近増加している生活習慣病の予防と治療にも力を入れています。
糖尿病や脂質異常症を中心に栄養課と連携して栄養指導を行い、食生活を改善することで、これら生活習慣病の治療の一助を担っています。
特に糖尿病に関しては、糖尿病療養指導士とともに、外来では、糖尿病透析予防指導や生活指導や栄養指導、さらにはインシュリンの自己注射指導などを行い、血糖コントロールと糖尿病の合併症予防に努めています。
実績
平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 | 令和元年度 | 令和2年度 | 備考 | |
腹部超音波 | 4,289 | 4,069 | 4,211 | 3,664 | 3,994 | |
上部内視鏡 | 4,364 | 4,400 | 4,328 | 4,295 | 3,994 | |
下部内視鏡 | 1,100 | 1,122 | 1,135 | 1,071 | 1,016 | |
上部消化管(胃・食道)ESD | 35(25) | 40(30) | 38(29) | 36(30) | 45(33) | ( )内 坦癌数 |
上部消化管(胃・食道)EMR | ||||||
下部消化管EMR+ポリペクトミー | 147(18) | 128(10) | 196(21) | 202(25) | 179(13) | ( )内 坦癌数 |
下部消化管ESD | 6(3) |
|
5(3) | 1(1) | 4(2) | |
ERCP | 122 | 107 | 130 | 120 | 120 | |
EST 採石術 | 55 | 48 | 53 | 49 | 54 | |
ENBD | 74 | 55 | 61 | 48 | 50 | |
ステント留置 胆道 | 18 | 18 | 17 | 24 | 18 | |
ステント留置 消化管 | 16 | 14 | 5 | 7 | 7 | |
PTCD | 4 | 6 | 6 | 3 | 10 | |
PTGBD | 21 | 29 | 17 | 29 | 26 | |
PTGBA | 2 | 11 | 2 | 2 | 4 | |
PTAD | 10 | 5 | 11 | 24 | 10 | |
腹部血管造影 | 34 | 21 | 29 | 31 | 23 | |
肝動脈塞栓術 | 30 | 16 | 21 | 26 | 26 | |
リザーバー留置 | 1 | 2 | 1 | 1 | 1 | |
肝生検 | 7 | 3 | 13 | 4 | 8 | |
肝癌RFA | 9 | 4 | 7 | 2 | 4 | |
肝癌PEI | 3 | 5 | 2 | 8 | 2 | |
食道静脈瘤EIS+EVL | 11 | 11 | 8 | 5 | 22 | |
胃静脈瘤BRTO | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | |
イレウスチューブ | 22(3) | 21(3) | 22(2) | 24(2) | 29(5) | ( )内 経肛門的 |
消化管ステント(上部) | 7 | 2 | 2 | 3 | 3 | |
消化管ステント(下部) | 9 | 12 | 3 | 4 | 4 | |
胃ろう造設 | 32 | 30 | 13 | 23 | 14 | |
気管支鏡 | 5 | 2 | 7 | 1 | 2 |
スタッフ紹介
中島 浩一郎(なかしま こういちろう)

役職
院長
卒業年
昭和54年
専門分野
- 内科
資格・認定
- 広島大学臨床教授
- 岡山大学医学部医学科臨床教授
- 日本内科学会 認定内科医
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 日本内科学会 認定医制度指導医
- 日本病院総合診療医学会認定病院総合診療医
- 臨床研修指導医
- 医学博士
コメント
庄原市の救急医療・高度医療・慢性期医療・小児科医療・専門分野の医療を守り地域の皆さまの灯となれるように全力を尽くします。鎌田 耕治(かまだ こうじ)

役職
副院長
卒業年
平成4年
専門分野
- 内科一般
- 消化器内科
- 肝臓内科
資格・認定
- 日本内科学会 認定内科医
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 日本内科学会 認定医制度指導医
- 日本消化器病学会 専門医 指導医
- 日本消化器内視鏡学会 専門医 指導医
- 日本肝臓学会 肝臓専門医 指導医
- 日本プライマリ・ケア連合学会 プライマリ・ケア認定医 指導医
- 日本病院総合診療医学会認定病院総合診療医
- 日本静脈経腸栄養学会 西中国地区TNT研修会 修了
- 緩和ケア研修会 修了
- 臨床研修指導医
- 広島大学医学部臨床教授
- 岡山大学医学部医学科臨床教授
- 医学博士
- ICD(インフェクションコントロールドクター)
コメント
地域の皆さまに信頼されるやさしい医療を目指します。よろしくお願いいたします。
服部 宜裕(はっとり よしひろ)

役職
第一内科部長
卒業年
平成元年
専門分野
- 内科一般 消化器疾患(胆膵) 健診
資格・認定
- 日本内科学会 認定内科医
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 日本内科学会 認定医制度指導医
- 日本消化器病学会 専門医
- 日本消化器内視鏡学会 専門医
- 日本肝臓学会 肝臓専門医
- 日本胆道学会認定指導医
- 日本人間ドック学会 専門医 指導医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- 日本プライマリ・ケア連合学会 プライマリ・ケア認定医 指導医
- 日本静脈経腸栄養学会 西中国地区TNT研修会 修了
- 指導医養成講習会 修了
- 緩和ケア研修会 修了
- 卒後臨床研修指導医
- 医学博士
コメント
健診から内科一般、専門分野まで地域医療に貢献するよう努力いたします。毛利 律生(もうり りつお)

役職
消化器内科部長
卒業年
平成11年
専門分野
- 消化器内科
資格・認定
- 日本内科学会認定内科医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
- 日本消化管学会専門医・指導医
- 緩和ケア研修会終了
- 卒後臨床研修指導医
- 医学博士
コメント
消化管疾患の早期発見・治療のため、優しく丁寧な内視鏡検査を心がけております。症状でお困りの方はもちろん、検診異常を指摘された方もお気軽にご相談ください。
庄原市民のみなさまの健康作りへお役に立ちたいと考えております。
どうぞよろしくお願いします。
本田 由美(ほんだ ゆみ)

役職
腎臓内科部長
卒業年
平成14年
専門分野
- 腎臓内科
資格・認定
- 日本内科学会 認定医
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 日本腎臓学会 専門医 指導医
- 日本透析学会 専門医
- 日本医師会認定産業医
- 医学博士
- 臨床研修指導医
コメント
当科は慢性腎臓病、慢性糸球体腎炎、血液透析や腹膜透析、多発性のう胞腎などの疾患に対応しています。これらの疾患を通じて地域の皆様のお役に立てればと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。
舛田 裕道(ますだ ひろみち)

役職
総合診療科部長
卒業年
平成19年
専門分野
- 内科全般
資格・認定
- 日本内科学会認定内科医
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本プライマリ・ケア連合学会プライマリ・ケア認定医
- 日本プライマリ・ケア連合学会プライマリ・ケア認定指導医
- ICD(インフェクションコントロールドクター)
- 日本消化器病学会消化器病専門医
コメント
備北地域の医療の充実や健康増進のお役に立てればと思っております。松本 健太(まつもと けんた)

役職
消化器内科部長
卒業年
平成22年
専門分野
- 消化器・消化管
資格・認定
- 日本内科学会認定内科医
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本消化器病学会消化器病専門医
- 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
コメント
消化器疾患、特に胃や大腸などの消化管分野の診療を中心に行っています。親切・丁寧な対応、苦痛の少ない内視鏡診療を心がけています。宜しくお願いします。江盛 智明(えもり ともあき)

役職
内科医師
卒業年
平成30年
専門分野
- 内科一般
コメント
庄原の豊かな自然に抱かれながら、地域のみなさまのお力になれるよう努力してまいりますので、よろしくお願いいたします。末田 咲(すえだ さき)

役職
内科医師
卒業年
平成31年
専門分野
- 内科一般
資格・認定
- 緩和ケア研修会終了証書
コメント
出身は府中市で広島大学を卒業しました。地域の皆さまの健康を支えていけるよう日々精進してまいりますので、よろしくお願いいたします。眞田 莉花(さなだ りか)

役職
内科医師
卒業年
平成31年
専門分野
- 内科一般
資格・認定
- 緩和ケア研修会終了証書
コメント
4月から赴任しました、内科の眞田です。自然豊かなこの土地で、皆さまの健康を支えていけるよう頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。釜木 信行(かまき のぶゆき)

役職
内科医師
卒業年
平成31年
専門分野
- 内科一般
資格・認定
- 緩和ケア研修会終了証書
コメント
この度4月から赴任してまいりました。未熟な点も多々ございますが、皆様のお力になれるように精進いたしますので、よろしくお願いいたします。安達 悠歩(あだち ゆうほ)

役職
腎臓内科医師
卒業年
平成29年
専門分野
- 腎臓内科
コメント
今年度より庄原赤十字病院へ赴任致しました。以前は三次でも勤務しており、再び県北の医療に携わることができて嬉しく思っています。
一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします。
藍澤 政穂(あいざわ まさほ)

役職
腎臓内科医師
卒業年
平成30年
専門分野
- 腎臓内科
コメント
初めまして。内科医師の藍澤政穂と申します。生まれはお隣の三次市になり、当院勤務になると聞いて、幼い頃に備北丘陵公園に遊びに来ていたのを思い出しました。チーム医療の一員として患者さんやご家族も参加できるように、分かり易い説明を心がけていきますので、もし気がかりなこと、分からないことがあればお気軽に聴いて頂ければと思います。よろしくお願いします。
河原 倫彦(かわはら みちひこ)

役職
内科医師
卒業年
平成31年
専門分野
- 内科一般
資格・認定
- 緩和ケア
コメント
この4月から赴任して参りました、内科の河原と申します。微力ではございますが、庄原市の皆様のお力になれるように、一生懸命日々精進して参りますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
岩田 健吾(いわた けんご)

役職
内科医師
卒業年
令和2年
専門分野
- 内科一般
コメント
4月から赴任しました内科の岩田健吾と申します。出身は世羅郡で自治医科大学出身です。
備北地域の医療に貢献出来るように日々精進してまいります。
よろしくお願い申し上げます。